コゼットの肖像 (11/1~2)
そんでもって「シャフト以前の新房監督研究」の第二弾です。(^-^;
2004年童夢制作のOVAで、DVD3巻各1話収録となっています。
「ゴシック・ホラー」と謳っていますけど、サスペンス・ホラーのような感じでもあります。
作品の性質上、あらすじを書き進めるとネタバレになってしまうので、設定程度で止めときますけど…、
アンティークショップでバイトしている美大生の主人公は、ある日店が仕入れたベネチアングラスのゴブレットの中に少女の姿を見ます。
それ以来すっかりその幻の少女に魅入ってしまい、ちょっとアブナイ雰囲気に…(笑)
そして偶然にも彼女の肖像画が仕入品の中から見つかり、少女と画家の名前が明らかになりますが、そこから更に物語は意外な展開を見せるのでした!
って、これじゃ全然ワカラナイですね?(苦笑)
ストーリー全体の尺が短いので、全編を書き表してもたかが知れていますけど、それじゃ意味ないですから(^'^;)
「いとおしい自分の命を振り捨てる程に私を愛してくれるのは誰?~」というセリフから始まる通り、偏愛的かつ耽美的な雰囲気を感じますが、次第にストーリーが進むにつれて、かなりスプラッタな描写が登場するほど激情渦巻く愛の嵐状態になって行きます。
なんというか、観念的な筋立てで少し難解な部分もありますけど、視点を見誤らなければ、主人公とヒロインの純愛劇という見方も出来ます。
なぜか主人公はモテるらしく(笑)、登場する女性キャラにことごとく好意を抱かれていますが、主人公は完全にコゼットしか目に入らない状態で、病的なまでに魅せられてしまっています。
さて、この作品の見どころですけど、比較的最近の作品と言っても6年前になりますけど、「月詠」と同じ年の作品の割に最近の作品に連なる「新房節」的な演出とはちょっとテイストが異なる表現手法、構成でしょうか。
文字を使った演出がちょろっとだけありますけど、畳み掛けるようなカット割りを駆使した展開、間の緩急が絶妙で目を画面に釘付けにするオーラ?を持っています。
雰囲気的には「The Soul Taker~魂狩」の系譜かな?と思います。
近年の作品に見られる演出の片鱗がこの作品に始まっている、という気もします。
ただ解りやすい流れとしては「月詠」から翌年の「ぱにぽにだっしゅ!」の方じゃないかな…。
同じ2004年には「リリカルなのは」(一期)も監督していますけど、そちらはオーソドックスなスタイルの作品なので、なかなかどうして引き出しの多い人なんだなぁ~と見受けられます。
正直あまり期待はしていなかったんですけど(ぉぃ)、予想以上に面白かったです。
ただストーリー的なものじゃなくて演出とか表現技法とかそちらの方面が主ですけど。
まるで実験作品のようにも思えますけど、オリジナル作品なのでそういった意図もあったのかもしれません。
但し、結構グロイ表現も一部にありますので、そういうのが苦手な人にはお勧め出来ません。
首や手足が飛ぶほどじゃありませんけど、やたらと血を吹きまくるので、一応の覚悟は必要かと…(^'^;)
この作品は千里ちゃん井上麻里奈さんのデビュー作品なんだそうで、ちょっと棒読みっぽいコゼットのセリフが初々しくもありますけど、それがまたうまくはまっているんじゃないかと思います。
ED曲も彼女が歌っていますけど、結構好きかも。
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